当院に入院するにあたっては、まず外来での診察があり、その結果「精神的疾患が認められ且つ入院治療が適切である」と診断された方のみ入院治療を受ける事が出来ます。
【精神療法】
一般に言うカウンセリングです。 主治医が随時病状に応じて行っています。またケースによっては、臨床心理士が心理検査(性格検査、知能検査等)を実施したり、カウンセリングを行うこともあります。
興奮をしずめ、幻覚・妄想などを取り除き、健康な感情の回復に有効です。症状により増減し、種々の症状を改善します。
しかし、薬物には副作用(手足のふるえ、筋肉のこわばりなどのパーキンソン症状、口喝、便秘、眠気など)が出現する事があります。この為入院時及び定期的に血液・尿検査、心電図、頭部・胸部レントゲン検査などを行い、副作用の早期発見・治療にこころがけます。
内科疾患の併発については、内科医の診察が受けられるようになっています(歯科医の診察も行っています)。
具体的に入院患者さんの半数以上をしめる統合失調症について説明致します。興奮や幻覚・妄想(陽性症状といいます)の強い急性期は、主に薬物療法と休養が治療の要となります。 一般には1〜2ケ月で症状が軽快ないし消失し、その後回復期に向かう時期や一時的に気持ちが沈み込んだり(抑うつ的となる)意欲が出ず動きの少ない時期を経る事もありますが、次第に活気が認められる様になります。この時期が作業療法、レクリエーション療法の必要な時期であり、病棟でも規則正しい生活へのアドバイスを始め、家庭への外出〜外泊を勧めます。従って多くの場合、2〜3ケ月で退院が可能となります。
しかし、時に意思や感情面の回復が遅れ、幻覚・妄想は消失しても活動する事への意欲がなく、周囲への関心や興味が薄く、感情の鈍さ(陰性症状)が残る場合があります。また、発病してから長期経過している場合、同様の症状が強い患者さんもみられます。このような場合は、意欲や感情の賦活の作用を持つ向精神薬を用いますが、やはり次に述べる作業・レクリェーション療法、社会復帰訓練が、もう一つの重要な治療となります。
作業療法士を中心に患者さんの早期退院と再発予防の為、作業療法室や各病棟のラウンジ、グラウンドなどで行います。各々の患者さんの症状に合わせて、適切なプログラムを選んで治療を進めます。
個人活動として絵画、書道、音楽鑑賞、ワープロ、将棋等、また、グループとして園芸、料理、エアロビクス、ゲートボール等のスポーツ、社交ダンス、カラオケ等などのプログラムがあります。また病院行事として納涼祭、運動会、クリスマスコンサート等を催して気分転換をはかり身体を動かすと同時に周囲への関心を引き出し、対人関係を円滑にし、社会復帰への種々の力を養う為の援助をしてゆきます。
薬物療法については、副作用が大きな問題となっている現在、種々のご心配があろうかと存じます。
当院ではその都度主治医が説明にあたっていますが、薬剤師も直接患者さんのもとへ伺い相談や指導を行い、不安の解消に努めています。
向精神薬は相当長期にわたり服用しなければならない場合が多いので、退院後は必ず通院医療を受けるようにして下さい。退院時に1〜2週間分のお薬を差し上げますが、その後は2週間〜4週間に1度の割合で通院する事になります。
また、社会復帰援助や病気の再発防止を目的にデイケアセンターや作業療法課のリハビリテーション施設へ通院していただく場合もあります。各施設ではそれぞれ独自のプログラムを用意し、出来るだけ多くの患者さんの症状や性格にあうよう工夫しています。詳細については主治医にご相談下さい。
以上統合失調症の患者さんを中心に説明致しましたが躁うつ病、精神発達遅滞、人格障害等もほぼ同じような内容で治療、療養が行われます。
【面会時間】
当院では、直接各病棟のスタッフステーションへ電話がつながるようになっておりますので患者さんへ連絡が必要な場合は看護師へ伝言するか、折り返し患者さんから公衆電話で連絡を入れて頂くようにいたします。